オーブンの前で生まれた、パイの答え。

 

「割るティラミス」の主役は、実はパイ生地かもしれない。

 

ただの器ではない。食べた瞬間にザクッと音を立て、香ばしさがふわっと広がる。

それを完成させるまでに、スタッフがどれだけ焼き直しただろう。

何度もオーブンと向き合い、バターの量や折り込み方を試し、ようやくたどり着いた食感。

バターをたっぷりと包み込み、焼き上がった生地はまるくふっくら。

仕上げに粉糖を二度がけして、表面はテリテリに輝く。

あたたかいパイに、ふわトロのクリーム。

もちろん、ティラミスクリームも忘れてはいけない。

マスカルポーネを贅沢に使い、軽やかでいて濃厚。

ふわっとしているのに、トロッととろける。

このバランスがあるからこそ、パイのザクザク感と見事に溶け合うのだ。

食感のグラデーションを楽しむ。

外はパリッとサクッと。

内側に進むにつれて、ふわっと軽やかになり、最後はトロッとやわらかなクリームへ。

ひと口の中で移り変わる食感のグラデーションが、この「割るティラミス」の最大の魅力だ。

さあ、ザクッと割ってみよう。

見た目はクラシック。けれど食べた瞬間、まったく新しいティラミス体験がはじまる。

焼き直しの末に完成したザックザクのパイに、たっぷりのふわトロクリーム。

その組み合わせをぜひ確かめに来てほしい。